顕微授精で妊娠判定が出るまでの流れと
安心できる施設の選び方

安心できる施設の選び方として、安全なシステムの中で、顕微授精が行われているかが重要です。

安心できる施設の選び方

1. 不妊治療の専門医（生殖医療専門医）がいる施設
2. 設備が整っている施設
3. 妊娠率など、成績を開示している施設
4. 不妊治療の件数が多い施設
5. 女性不妊症と男性不妊症の治療の経験が多い施設
6. 卵巣刺激法などの治療の選択肢が多い施設

木場公園クリニックの特徴

木場公園クリニックの顕微授精の特徴

ICSI、IMSI、ピエゾ-ICSI、ピエゾ-IMSIで顕微授精を実施して、胚盤胞到達率が高い培養液を使用して、タイムラプスシステムで胚を培養しています。

酸化ストレスに暴露された精子は、DNAが損傷されたり、運動率が低下したりして、受精率や発生率が低下するときがあります。
当院では、調整中の精子や精液調整後の精子を酸化ストレスから守り良好な状態を保つために、Vitrolife社から発売されている抗酸化剤入りの培養液Gx-Series™を使用して精子処理を行っています。

ピエゾユニットを使用して、インジェクションピペットの先端が平たい針で精子を注入します。
透明帯にインジェクションピペットを軽く押し付けた状態で、ピエゾユニットから発生する微細な振動(ピエゾパルス)で、透明帯に穴を開けます。
次に、インジェクションピペットを進めて、卵細胞質も吸引しないでピエゾパルス（針先が振動する）で破って、卵細胞質内に精子を注入します。
先端が尖ったインジェクションピペットを使用したICSIでは、インジェクションピペットを卵子の奥まで深く挿入して透明帯を破り、卵細胞膜を吸引して穴をあけた後、卵細胞質内に精子を注入します。
PIEZO-ICSIでは、通常の先端がとがっているインジェクションピペットを使用したICSIと比較して、針の先端がとがっていないため、卵子への負担が少ないとされています。

ICSIが始められた当初は、精子の運動性におもに注目して精子を選別していました。
しかし精子は単に受精に関係するだけではなく、精子の質が、胚の質、妊娠、出生児の成長・発達まで影響します。
精子のサイズは胚や卵と比べて20分の1しかないにもかかわらず、ICSIにおける精子は、卵や胚を通常観察する際に用いる400倍率の倒立顕微鏡下で、 観察・評価・選別しています。
精子を詳細に観察して選別するために、ICSIに用いる倒立顕微鏡の観察倍率を上昇させて、解像度を高めることで、より細かく精子の形態（特に精子頭部における空胞の有無）を観察しながら良い精子を選別し、それを顕微授精に用いるのがIMSI(Intracytoplasmic Morphologically selected Sperm Injection) 形態良好精子選別後顕微授精です。
通常のICSIでは400倍から600倍で精子を選んで顕微授精を行っていますが、IMSIでは6000倍から12000倍の高倍率下で精子を選んで顕微授精を行います。
400 倍で観察した時は正常と判断した精子を、約6000 倍から12000倍に拡大してみると精子の頭の部分に空胞（抜けている部分）を認めることがあります。br 精子の頭部に空胞がないまたは少ない精子を使用して顕微授精を行うと、胚盤胞到達率が高くなり、着床率、生産率が高くなると報告されています。

胚盤胞まで培養する培養液には、前期培養用（前核期胚から8細胞期胚まで）と後期培養用（8細胞期胚から胚盤胞まで）の2種類の培養液を使用する逐次培養液（sequential medium）と前核期胚から胚盤胞まで同じ組成の1種類の培養液を使用するsingle mediumがあります。
胚盤胞の状態まで発育させるsequential mediumを開発したDavid K Gardner先生の培養液（Vitrolife社のG-Series™培養液）を当院では開業以来22年間使用しています。
培養の途中で培養液を交換するsequential mediumでは培養業務が煩雑になるため、single mediumで培養している施設が増えてきていますが、当院ではsequential mediumとsingle mediumの成績を比較したところ、sequential mediumの成績が良かったため、たとえ業務負担が増えようとも胚にとって最適なsequential mediumで顕微授精実施後の患者様の大切な卵子を培養しています。

タイムラプスとは、一定間隔で胚を撮影して、その写真を連続で映し出すことで動画のように見ることができる技術です。
従来は胚の観察は、胚を培養している培養器（インキュベーター）から胚を取り出して顕微鏡下で行われていました。
当院が採用しているEmbryoScope＋（タイムラプスシステム）では、培養器の中にカメラが内蔵されているため、胚を外に取り出さなくても10分毎に器械が胚を撮影してデータが蓄積されます。
タイムラプスシステムでは得られる胚の情報量が多くなるだけではなく、胚を培養する環境が一定となるため、良好な胚盤胞が得られる確率が増加します。
当院のデータでは、胚盤胞到達率（発生率）は従来のインキュベーターでは48.8％、EmbryoScope＋では60.0％と、EmbryoScope＋で胚盤胞到達率（発生率）が高い結果でした。
当院では患者様に診察室のPCモニター上でタイムラプス動画をお見せしながら、胚の説明をしています。

木場公園クリニックの妊娠率を上げるためのサポート

卵子や精子は、患者さん自身の体から作られるため、生活習慣を考慮したいい体づくりは不妊治療において必須です。
妊娠しやすい体づくりのサポートとして、当院では、子宮や卵巣の状態を良くするための治療として低反応レベルレーザー治療、卵子と精子は体の中にある栄養素を使用して作られているため栄養解析による個別のサプリメント処方などを行なっています。

レーザー光線には、細胞を蒸散（シミの治療など）してたんぱく質を変性させるなどの作用があります。
レーザー光線の周波数と出力を落とすと、細胞に障害をあたえずに、細胞を活性化することができます。
この性質を利用したのが。当院で行われている低出力レーザー治療です。
低反応レベルレーザーは、全身、子宮、卵巣の血流を増加させる効果があります。
この低出力レーザー治療で当院では多くの方が妊娠されています。
世界レーザー医学連合会から、不妊症への低出力レーザー治療による効果として、ホルモンバランスが良くなる、子宮や卵巣の血流が増加する、子宮内膜が厚くなり着床しやすくなる、採卵数が増える、流産しにくくなるなどが報告されています。
当院では、治療用レーザーとして厚生労働省の承認を得た機械を使用して、女性には首にある星状神経節近傍部とお臍の周囲にレーザーを照射しています。

卵子と精子は、自分の体中にある栄養素を使用して作られています。
胚の質の悪い方が、体に不足していた栄養素をサプリメント補充して、胚の質が良くなり子供を得たとの報告があります。
卵子や精子が作られた時の体の状況が、生まれてくる子供の健康に関連しているのです。
当院では、胚の質が悪い時や希望の患者様には栄養解析を行って、不足している栄養素をサプリメントで個別に補充しています。
患者様の生活習慣、食事内容、体質、環境などを把握するために、ホームページのWEB栄養解析問診表をまず記入していただきます。
8時間の食止め（水のみO Kで、お茶やコーヒーなどの水分はだめです）で来院していただき、採血を行います。
WEB問診表に記入していただいた内容と約70項目の血液データをもとに栄養解析を実施します。
栄養解析は、オーソモレキュラー栄養医学療法の第一人者の新宿溝口クリニックの溝口徹医師らのグループが行います。
オーソモレキュラーの語源は、分子（Molecule）を整える（Ortho）に由来しています。
約一か月後に、「栄養解析レポート」を使用して、結果を説明します。
患者様に不足している栄養素をサプリメントで個別に補充します。
当院で使用しているサプリメントは、医薬品と同じレベルの品質管理による過程で製造されている日本生産の医療機関専用品（MSS社製）です。