体外受精の着床率を上げるためにできること|食事・生活習慣 | 木場公園クリニック 不妊・不妊治療専門
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体外受精の着床率を上げるために
できること|食事・生活習慣

卵子や精子は、自分の体から作られています。
質のいい卵子や精子を作るために、いい体づくりは不妊症の治療においては必修です。
卵子や精子が作られた時の体の状況が、生まれてくる子供の健康にも関連しています。
食生活は妊娠率と非常に関連があります。
誤ったダイエットなどをしないように、妊娠に向けての基本の食生活を見直して、
糖質を制限、タンパク質、いい油、必要な栄養素を取りましょう。
適度な運動をする、良質な睡眠を取る、体を冷やさない、ストレスをためないなど生活習慣にも配慮しましょう。
自然妊娠、AIH、体外受精、顕微授精(ICSI)どの治療の方法でも、いい体作りは重要です。
  1. 目次

  2. 体外受精の着床率を上げるために必要なこと

  3. 体外受精の着床率を上げるためにできること【食事編】

  4. 体外受精の着床率を上げるためにできること【生活習慣編】

  5. 「レーザー治療と栄養解析後の個別のサプリメント補充」

体外受精の着床率を上げるために必要なこと

体外受精や顕微授精(ICSI)の着床率を上げるために、患者様の卵巣力に応じた個別の卵巣刺激法を選択して質の良い卵子を採取、良好な精子を回収、体外受精または顕微授精を行って、形態良好な胚を選択して胚移植(初期胚移植または胚盤胞移植)を行います。

質の良い卵子を採取する

体外受精を行う際には、卵巣の内から排卵直前の成熟した卵子を取り出します。 卵巣刺激法の種類 質の良い卵子を採取するために、卵巣刺激法の選択は重要です。
表のように卵巣刺激法には、高刺激法、中刺激法、低刺激法、自然周期法の4種類がありますが、患者様の卵巣力に応じた個別の卵巣刺激法の選択することが重要です。
卵巣機能が良好な方はどの卵巣刺激法でも選択できますが、卵巣の機能が悪い方は低刺激法または自然周期法しか選択することができません。
当院では、それぞれの患者様の卵巣力に応じて、卵巣刺激法を選択しています。
経膣超音波検査(卵胞の大き)とホルモン値を通じて、卵子の成熟具合を推定して、採卵日を決めています。
採卵では、デリケートな卵子を傷つけずに、良好な状態で取り出すことが大切です。
採卵にはGEヘルスケアジャパン社の解像度の高い超音波断層装置(Voluson P8)を使用しています。
採卵用のプローブは採卵直前に、1本1本丁寧に7分かけて高水準消毒を行っています。
経膣超音波下に、大切な卵子が入っている卵胞液を、冷やさないように採卵用のポンプを使用して、低い一定の圧力で吸引します。

質の良い精子を回収する

体外受精や顕微授精(ICSI)の前は、約3日前に最後の射精を患者様にしていただきます。
長く射精しないで精液が溜まっていると、精子の頭の中の核の質や運動率が低下します。
体外受精や顕微授精に、質のいい精子を使用することは、良好な胚を作るために重要です。
酸化ストレスに曝された精子は、運動率が低下したり、DNAが損傷されたりします。
当院では、調整中の精子や精液調整後の精子を酸化ストレスから守るために、Vitrolife社から発売されている抗酸化剤入りの次世代培養液Gx-Series™を使用して精子処理を行っています。

外観で質の良い胚を選定する

採卵後に、体外受精または顕微授精(ICSI)を行って、胚を発育させて、受精後の胚の状態を確認しながら、着床の可能性が高い胚を選定します。
当院では、採卵日からタイムラプスで胚を培養して、胚の状態を評価しています。
タイムラプスとは、一定間隔で胚を撮影して、その写真を連続で映し出すことで動画のように見ることができる技術です。
従来は胚の観察は、その都度培養器(インキュベーター)から胚を取り出して顕微鏡下で行われていました。
当院が採用しているEmbryoScope+(タイムラプスシステム)では、培養器の中にカメラが内蔵されているため、胚を外に取り出さなくても10分毎に器械が胚を撮影してデータが蓄積されます。
タイムラプスシステムでは得られる胚の情報量が多くなるだけではなく、大事な胚への外的ダメージを大幅に軽減させ、胚を培養する環境が一定となるため、良好な胚盤胞が得られる確率が増加します。
当院のデータでは、胚盤胞到達率は従来のインキュベーターでは48.8%、EmbryoScope+では60.0%と、EmbryoScope+で胚盤胞到達率が高い結果でした。
また、当院では患者さまにPCのモニター上でタイムラプス動画をお見せしながら、胚の説明をしています。

体の環境を整える

体外受精や顕微授精(ICSI)を成功させるために、質の良い卵子ができやすい卵巣や、受精卵(胚)が着床しやすい子宮内膜へ導く必要があります。
卵子や精子は自分の体から作られているため、二人でいい体作りをすることは、赤ちゃんを作るために重要です。
日々の食事や生活習慣などを見直すことで、少しでも良好な状態にしましょう。
次の見出し以降で、「着床率を上げるためにできること」について紹介します。

体外受精の着床率を上げるためにできること【食事編】

食生活は妊娠率と非常に関連があります。
誤ったダイエットなどをしないように、妊娠に向けての基本の食生活を見直しましょう。

タンパク質を取る

タンパク質を多めに取ることが、妊娠しやすい体を作ると考えられています。
大豆、牛・豚肉の赤身、マグロ、カツオ、卵などの良質なタンパク質の摂取を心がけましょう。
加工食品は低タンパクのことが多いため、できるだけ未加工の食品を摂取しましょう。

糖質を抑える

糖質を控えることで、体内の糖化を防ぐことにつながります。
糖化とは、簡単に言うと、「体のコゲ」のことです。
体の中で、タンパク質が余分な糖が結合すると、たんぱく質が変性・劣化して、AGE(終末糖化産物)となります。
AGEには強い毒性があるため、蓄積がおこると老化の原因となり、卵巣機能の低下につながるおそれがあります。
できるだけ血糖値を上げない食生活を送ることが大切です。
しかし、過度な糖質制限は栄養不足となるため、糖質の取りすぎを制限しながら、たんぱく質やいい脂質を取ることが重要です。

いい油を取る

妊娠するために、良質なコレステロールを取りましょう。
コレステロールは女性ホルモンと男性ホルモンの材料で、卵子や精子などの細胞膜の形成にも、コレステロールが必要です。
卵黄や豚レバーなどバランスよくコレステロールを取りましょう。

妊娠しやすい体へ導く栄養素を取る

ビタミンD、鉄分、葉酸、亜鉛などの栄養素を取りましょう。
ビタミンDには免疫作用があります。
鉄分は子宮内膜をつくったり、赤血球の要素となったりします。
葉酸は赤ちゃんの神経や脳をつくる働きがあります。
亜鉛は細胞分裂を促す働きがあります。
参考図書卵子の老化に負けない「妊娠体質」に変わる栄養セラピー 青春出版社
診察を予約する 03-5245-4122 03-5245-4122

体外受精の着床率を上げるためにできること【生活習慣編】

自分の生活習慣を確認しましょう。
夫婦で生活習慣を改善することは、不妊治療を受ける上で大切です。

適度に運動する

適度な運動することで、血行が良くなり、卵巣機能の向上が期待できます。
また、出産に向けて体力を付けることも出来ます。
過度な運動は、逆に妊娠率を落とすと言われています。
適度な運動を行い、ミトコンドリアに火をつけて少し汗をかくことで、代謝が良くなり、気持ちもよくなり、考え方も前向きになります。
例えば、ウオーキングであれば、10分間ゆっくり歩いて、30分間少し早足で歩いて、最後に10分間ゆっくり歩く運動を週に3回程度行うといいと思います。
また、ヨガもいいと思います。
私が監修をさせていただいた木下由梨先生著の「妊娠力を上げる! 妊活ウミヨガ」はDVD付きのため、スタジオに行かなくても自宅で、ヨガができるのでお勧めの本です。
妊娠力を上げる! 妊活ウミヨガ 主婦の友社

良質な睡眠を取る

睡眠中には女性ホルモンの分泌を調整している成長ホルモンが多く分泌されています。
ホルモンのバランスを整えるために、規則正しく睡眠を取りましょう。

体を冷やさない

体の冷えは血行不良となり、卵巣機能の低下につながるおそれがあります。
特に下腹部を冷やさないことを心がける必要があります。
レーザー治療、鍼灸、漢方、カイロプラクティックスなども血流改善には有効です。

ストレスをためない

十分な休養を取り、リラックスできる時間を確保して、ストレスをため込まない生活を送りましょう。
東京堂出版から出版されている「妊娠力 心と体の8つの習慣」は妊娠に向けての貴重な情報が満載されているので、ぜひ読んでください。
妊娠力 心と体の8つの習慣 東京堂出版

「レーザー治療と栄養解析後の個別のサプリメント補充」

体外受精の着床率を上げるために積極的に多方面から不妊治療に取り組みましょう。

レーザー治療

レーザー光線には細胞を蒸散(シミの治療など)、たんぱく質を変性させる作用があります。レーザー光線の周波数と出力を落とすと、細胞に障害をあたえずに、細胞を活性化する作用があります。
この性質を利用したのが。当院(木場公園クリニック)で行われている低出力レーザー治療です。
低反応レベルレーザーは、全身、子宮、卵巣の血流を増加させる効果があります。
この低出力レーザー治療で当院(木場公園クリニック)では多くの方が妊娠されています。
世界レーザー医学連合会の報告によると、不妊症への低出力レーザー治療による効果として以下の点が考えられています。
  • ホルモンがバランス良くなる。
  • 子宮や卵巣への新しい血管が増殖する。
  • 子宮や卵巣の血流が増加する。
  • 子宮がやわらかくなり、成長する。
  • 子宮内膜が厚くなり、着床しやすくなる。
  • 卵管が太くなり卵子が通りやすくなる。
  • 未成熟卵が成熟卵になる可能性があがる。
  • 採卵数が増える。
  • アレルギー反応をおさえて、受精卵が子宮に着床しやすくなる。
  • 流産しにくくなる。
精子を卵子に注入する
当院における低反応レベルレーザー治療 女性には、首にある星状神経節近傍部とお臍の周囲にレーザーを照射します。
治療用レーザーとして厚生労働省の承認を得た機械を使用しています。

栄養解析後の個別のサプリメント補充

卵子と精子は、自分の中にある栄養素を使用して、最終的に作られています。
胚の質の悪い方が、体に不足していた栄養素をサプリメントで補充して、胚の質が良くなり子供を得たとの報告がよくあります。
卵子や精子が作られた時の体の状況が、生まれてくる子供の健康にも関連しています。
栄養解析を行って、自分に足りていない栄養素をサプリメントで個別に補充しましょう。 当院(木場公園クリニック)における栄養解析と個別のサプリメント補充
  • 患者様の生活習慣、食事内容、体質、環境などを把握するために、ホームページのWEB栄養解析問診表を記入していただきます。
  • 8時間の食止め(水のみ大丈夫、お茶などは不可だめです)で来院していただき、採血を実施します。
  • WEB問診表に記入していただいた内容と約70項目の血液データをもとに栄養解析を行います。
  • 栄養解析は、オーソモレキュラー栄養医学療法の第一人者の新宿溝口クリニックの溝口徹医師らのグループが行います。
    (「オーソモレキュラー」の語源は、「分子(Molecule)を整える(Ortho)」に由来しています)
  • 約一か月後に、「栄養解析レポート」を使用して、結果を説明します。
  • 患者様に不足している栄養素をサプリメントで個別に補充します。
当院で使用しているサプリメントは、医薬品と同じレベルの品質管理による過程で製造されている日本生産の医療機関専用品です。
診察を予約する 03-5245-4122 03-5245-4122
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木場公園クリニックは体外受精・顕微授精に特化したクリニックです。
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様々なトータルソリューションをご提案・ご提供いたします。

海外・国内の学会参加による
世界レベルの最先端の治療を追及

開院以来20年にわたり診療で蓄積された診療経験や検査・治療の結果、症例をもとに、
より良い不妊治療の成果を出すために、日々行っている研究や検討を紹介しています。

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着床前胚染色体異数性検査
(PGT-A)

東京の木場公園クリニックは、日本産科婦人科学会から、「反復体外受精・胚移植(ART)不成功例、習慣流産例(反復流産を含む)、染色体構造異常例を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の有用性に関する多施設共同研究」の研究分担施設として承認を受けています。

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女性の実年齢と卵巣年齢がイコールではないため、それぞれの方の卵巣の状況に応じて刺激法を選んでいます。
当院では高刺激の患者様と低刺激の患者様の割合は半々です。
高刺激と低刺激のどちらがいいのかではなく、体外受精や顕微授精を行う施設として重要なことはいろいろな卵巣刺激法を選択肢として持っていることです。

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