生殖補助医療(ART)の意味と基本的な考え方|治療の種類を解説 | 木場公園クリニック-JISART認定 体外受精・顕微授精
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生殖補助医療(ART)の意味と
基本的な考え方|治療の種類を解説

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生殖補助医療(ART)とは、体外受精や顕微授精など高度に人の手がかかった不妊治療のことです。
体外受精は1978年にイギリスで成功した技術で、顕微授精は1992年にベルギーから報告された技術です。
試験管ベビーなどと呼ばれた時代もありましたが、日本では出生児の約17人に1人が生殖補助医療児で、
生殖補助技術は特殊な医療ではなくなったと思います。
日本では生殖補助医療(ART)は保険の適応ではありませんが、約20年前と比較すると成績は向上しています。
体外受精や顕微授精などの生殖補助技術で、世界中で500万人以上の赤ちゃんが誕生しています。
  1. 目次

  2. 生殖補助医療(ART)とは

  3. 生殖補助医療(ART)の種類

  4. 生殖補助医療(ART)の治療の流れ

  5. 「生殖補助医療(ART)は生き物だ」

生殖補助医療(ART)とは

生殖補助医療(ART)は、現在では特殊な医療ではありませんが、さまざまな考え方があり、結論が出せない課題が多くあります。

生殖補助医療(ART)の意味

不妊症の治療法には、人工授精まで含めた一般不妊治療と生殖補助医療(ART)があります。
ARTとは、Assisted Reproductive Technologyの略称で、生殖を補助することを目的に行われる治療法のことで、体外受精、顕微授精などを指します。
厚生労働省によると、2017年時点で約17人に1人が生殖補助医療によって誕生したとされています。
日本では生殖補助医療(ART)は保険の適応ではありませんが、体外受精が開始されたころと比較すると妊娠率は飛躍的に向上しています。
【出典】不妊治療と仕事の両立サポートハンドブック

生殖補助医療(ART)の考え方

生殖補助医療においては、さまざまな考え方があり、結論の出ない課題も多くあります。
倫理的観点から、動物実験に使用されたことを人に使用して良いかという議論などもあります。
現在は、生殖補助医療の中でも体外受精や顕微授精が普及しています。
生殖補助医療は、一般不妊治療以上に医師と患者が十分に合意を得た上で治療法を選択することが重要です。
日本産科婦人科学会は、体外受精・胚移植に関して次のような見解を示しています。
我が国における倫理的・法的・社会的基盤に十分配慮し、有効性と安全性を評価した上で、これを施行すること。

生殖補助医療(ART)の種類

生殖補助医療(ART)には、体外受精、顕微授精と男性の無精子症に実施する精巣内精子回収法があります。

体外受精(IVF)

体外受精 体外受精(IVF)とは、経腟超音波下に採取した卵子が入っている培養液の中に運動性の良好な精子を注入して、
精子自身の力で卵子と受精させて、受精卵を作る方法です。
体外で培養してできた胚(受精卵)を子宮へ戻して、子宮内膜に着床させます。
体外受精(IVF)の適応は、卵管性不妊症(両側卵管閉塞)、乏精子症、精子無力症、抗精子抗体強陽性(女性)、
原因不明不妊、人工授精で妊娠しないときなどです。
(人工授精とは、経膣超音波検査と尿中LH検査から排卵日を予測して、排卵日付近に、精液中の運動性が良好な精子を細いチューブで子宮腔内に入れることです。)

木場公園クリニックの体外受精(IVF)の費用は、35万円+消費税です。

(注意:生殖補助医療前検査、超音波検査、ホルモン検査、排卵誘発剤の注射などの卵巣刺激代、黄体補充などは費用が別にかかります)

顕微授精(ICSI)

顕微授精 顕微授精(ICSI)とは、経膣超音波下に採卵した卵子に、ガラス製の針を使用して、運動している精子の動きを止めて、一匹の精子を卵細胞質内に注入して、受精をさせる方法です。
精液の中から動きの良い精子を選ぶことで、受精、妊娠の可能性を高めます。
体外で培養してできた胚(受精卵)を子宮へ戻して、子宮内膜に着床させます。
胚を子宮に戻すことを胚移植と呼びますが、胚移植は採卵後2日目または3日目の分割期胚を戻す場合と採卵後5日目または6日目の胚盤胞を戻す場合があります。 また、一度胚を凍結して、子宮内膜の調整をして、胚を融解して胚移植する時もあります。
顕微授精(ICSI)の適応は、重度の男性不妊症、男性の抗精子抗体が強陽性、体外受精で受精が成立しないなどです。

木場公園クリニックの顕微授精(ICSI)の費用は45万円+消費税です。

(注意:生殖補助医療前検査、超音波検査、ホルモン検査、排卵誘発剤の注射などの卵巣刺激代、黄体補充などは費用が別にかかります)

精巣内精子回収法

一般男性の100人に1人は、精液中に精子がいない無精子症です。
無精子症の約2割は精子の通り道に問題がある閉塞性無精子症、約8割は精巣自体に問題がある非閉塞性無精子症です。
閉塞性無精子症には、顕微鏡を使用しない単純な精巣内精子回収法を行います。
一方、非閉塞性無精子症では、脳外科で使用するような手術用顕微鏡を使用して精子をつくっている可能性の高い精細管を探す手術である(Micro Testicular Sperm Extraction:顕微鏡下精巣内精子回収法)を実施します。
診察を予約する 03-5245-4122 03-5245-4122

生殖補助医療(ART)の治療の流れ

体外受精と顕微授精では、受精をさせる方法が違います。
体外受精では精子自身の力で卵子を受精させますが、顕微授精ではガラス製の針で精子を卵子に注入して受精させます。

体外受精の治療の流れ

卵巣刺激を実施して卵子を成長させた後に、経腟超音波下に卵子を採取します。
とれた卵子はまわりに血液などが付着していることがあるため、付着物をよく取り除き、
体外受精を実施するまで、卵子を培養液にいれて、培養器で前培養します。
男性から採取した精液から、運動性が良好な精子を回収します。
卵子の入っている培養液に運動精子を加えて、培精を行います。
培養器内で胚を数日間培養します。
胚(受精卵)を、子宮を刺激しないように、柔らかいカテーテルを使用して、子宮腔内に戻し、子宮内膜に着床させます。
体外受精について詳しく

顕微授精(ICSI)の治療の流れ

卵巣刺激を実施して卵子を成長させた後に、経腟超音波下に卵子を採取します。
とれた卵子はまわりに血液などが付着していることがあるため、付着物をよく取り除き、顕微授精を実施するまで、
卵子を培養液にいれて、培養器で前培養します。 男性から採取した精液から、運動性が良好な精子を集めます。
卵子のまわりにある卵丘細胞を取り除いて、卵子を単独にして、卵子の成熟度を判定します。
顕微鏡下に、成熟している卵子に、ガラス製の針を用いて精子を注入して受精させます。
培養器内で胚を数日間培養します。
胚(受精卵)を、子宮を刺激しないように、柔らかいカテーテルを使用して、子宮腔内に戻し、子宮内膜に着床させます。
顕微授精について詳しく

「生殖補助医療(ART)は生き物だ」

当院は、夫婦の不妊症の治療法を一人の医師が提供できるコンセプトのもとに、
平成11年1月11日に江東区の木場公園の近くに開業して21年が経過しました。
生殖補助医療(ART)は生き物とよく言われますが、この21年間で、治療法の変革がありました。
開業当時は2日目や3日目の分割期胚(初期胚)移植が主流でしたが、培養液が進化し胚盤胞到達率が高くなったため、
5日目や6日目の胚盤胞まで培養することが多くなり、胚盤胞移植が主流となりました。
また、胚凍結の方法は、従来はプログラムフリーザーを使用した緩慢凍結法を行なっていましたが、
現在は超急速ガラス化法となりました。
これに伴って胚盤胞を採卵周期には胚移植しないで、一度凍結をしてから融解胚移植を実施することが多くなりました。
胚はインキュベーター(培養器)で培養され、胚を観察するときは培養器から外に出して顕微鏡で観察していましたが、現在ではカメラ付きの培養器(タイムラプスシステム)が開発され、器械が10分毎に胚を自動的で観察するため、
観察するために胚を培養器から外に出さなくて良くなりました。
このタイムラプスシステムを採用することにより、胚の観察から得られる情報量が多くなりかつ胚盤胞到達率も上昇しました。
また、ご夫婦が必要な胚の情報を提供することができるようになりました。
生殖補助医療(ART)は生き物だと言われる通り、今後も生殖補助医療(ART)は常に進化すると思います。
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木場公園クリニックの特徴

木場公園クリニックは体外受精・顕微授精に特化したクリニックです。
少しでも安心して不妊治療を受けていただけるよう、
様々なトータルソリューションをご提案・ご提供いたします。

海外・国内の学会参加による
世界レベルの最先端の治療を追及

開院以来20年にわたり診療で蓄積された診療経験や検査・治療の結果、症例をもとに、
より良い不妊治療の成果を出すために、日々行っている研究や検討を紹介しています。

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着床前胚染色体異数性検査
(PGT-A)

東京の木場公園クリニックは、日本産科婦人科学会から、「反復体外受精・胚移植(ART)不成功例、習慣流産例(反復流産を含む)、染色体構造異常例を対象とした着床前胚染色体異数性検査(PGT-A)の有用性に関する多施設共同研究」の研究分担施設として承認を受けています。

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胎児精密超音波検査では胎児の形態異常や構造異常の評価、胎盤臍帯の評価を超音波を使って詳細に行います。
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卵巣刺激
(高刺激・中刺激・低刺激・自然周期)

女性の実年齢と卵巣年齢がイコールではないため、それぞれの方の卵巣の状況に応じて刺激法を選んでいます。
当院では高刺激の患者様と低刺激の患者様の割合は半々です。
高刺激と低刺激のどちらがいいのかではなく、体外受精や顕微授精を行う施設として重要なことはいろいろな卵巣刺激法を選択肢として持っていることです。

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