受精や着床など 妊娠の流れや仕組み

妊娠の成立

不妊症について学ぶには、正常な妊娠の成立を知ることが大切です。
ここではまず、妊娠そのもののしくみについて説明させていただきます。

精子の質や仕組みについて

精子は、精巣(睾丸)の中にある精細管と呼ばれる非常に細い管の中で精祖細胞から、精母細胞、精子細胞を経て72~74日間かけて作られます。1個の精巣の精細管をのばすと約540mぐらいになります。精子は精巣内で作られた後、精巣の横にある精巣上体(副睾丸)を約5~10日間かけて通り、さまざまな分子レベルでの修飾を受け成熟精子となって精巣上体尾部にたまっています。
射精をする時は、精子は精管を通り、精嚢や前立腺の分泌液とともに外に射精されます。
つまり、約3ヶ月前に作られ始めた精子が現在射精されているのです。 射精された精液のうち精子はわずか1%で、残る99%は精漿(精嚢や前立腺の分泌液)でできています。

排卵や卵子の寿命など仕組みについて

一方卵子は、精子が精祖細胞から作られるのに対し、自分が胎児だった時(お母さんのお腹にいた時)に、卵祖細胞から卵母細胞が作られ、原始卵胞として卵巣内に保存されています。思春期になると卵子は目覚め、一次卵胞、二次卵胞を経て排卵にいたります。
この二次卵胞の発育には約85日間かかりますが、最終的な発育の部分は、鼻の奥にある下垂体から分泌される主にFSH(卵胞刺激ホルモン)によって発育し、卵胞の中にある顆粒膜細胞からエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌され、そのエストロゲンの影響で子宮内膜は着床に備えて厚くなります。

排卵はこうして起こります!

さらにエストロゲンの分泌量が多くなると、下垂体からLH(黄体化ホルモン)がスパイク状に大量に分泌されて、卵巣の表面に穴があき卵子は卵胞液とともに排卵します。卵子は卵管采で捕獲されます。
排卵中、卵管采は卵巣の表面を心拍数とほぼ同じスピードで掃くような動きをして卵を捕獲し、卵管上皮の線毛運動によって卵管内に取り込まれます。

排卵日付近、女性の体内では何が起こっているのでしょうか?

排卵日付近になると、女性の子宮頚管から頚管粘液と呼ばれる水っぽい分泌液が分泌されます。これは、精子が子宮頚管を通過するのを助けています。排卵日付近の子宮を経膣超音波でみると子宮内膜が蠕動運動しているのがよくわかります。子宮自身も精子を吸い上げるようなスポイド作用をもっているのです。
精子は、子宮腔、卵管を通った後、卵管膨大部で卵子が卵巣から排卵されてくるのを待っています。正常な男性では、1回の射精で、約1億匹から2億匹の精子が膣内に射精されますが、最終的に卵管膨大部まで進める精子は片側の卵管で約100匹程度です。

妊娠や着床の確率について

精子は、卵管膨大部で卵子と出会います。排卵された卵子は卵丘細胞で覆われていますが、卵丘細胞は精子の先体部にある酵素(ヒアルノニターゼ)と卵管粘膜より分泌される酵素両者の働きで分散します。次に透明帯を精子の頭部にある酵素(アクロシン)で溶かした後、精子頭部が卵細胞膜に到達します。一匹の精子が卵細胞膜に接触すると、透明帯は性状が変わり、他の精子が貫通できなくなります。

精子頭部は最初は垂直に卵細胞膜に接していますが、すぐに水平に接触し、卵細胞質膜との融合は精子の赤道部の細胞膜からおこります。精子は卵細胞質に入ると、精子核を包んでいる核膜が消失し、核は膨化を開始し、膨化した核には再び核膜が現れて、雄性前核になります。この間に卵からは第二極体が放出されて雌性前核ができます。この時点で受精は終了します。

受精卵のことを胚と呼びます。胚は卵管内で分割を繰り返し、2細胞期胚、4細胞期胚、8細胞期胚、桑実胚、胚盤胞になった後、子宮腔内に移動し、排卵後約7日後に子宮内膜に着床します。

受精卵の正常分割の様子

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