30代女性の体外受精の成功率|不妊に悩んだら早めの受診を | 木場公園クリニック-JISART認定 体外受精・顕微授精
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30代女性の体外受精の
成功率|不妊に悩んだら早めの受診を

更新日時:2025.09.04
女性の卵子は、お母さんのお腹の中にいるときにすべて作られています。
例えば34歳の女性であれば、34年間貯蔵されていた卵子が排卵されているのです。
この「貯蔵期間」が長くなると、卵子の質は徐々に低下します。
そのため、女性の年齢ともに妊娠率・着床率・出産率は低下し、流産率は増加していきます。
赤ちゃんを望むなら、妊活は早めのスタートが重要です。
妊娠を希望しているのになかなか妊娠しない場合は、ぜひ早めに不妊治療専門のクリニックを受診してください。
  1. 目次

  2. 30代女性の体外受精の成功率とは

  3. 体外受精の成功率が高い時期に採卵を行う重要性

  4. 不妊治療で行われる生殖補助医療(ART)の種類

  5. 不妊治療は即行動

30代女性の体外受精の成功率とは

30代後半になると、30代前半と比較して体外受精の成功率は低下します。

体外受精・顕微授精の年齢別の成功率

体外受精では、経腟超音波下に採取した卵子を培養液に入れ、その中に運動性の良好な精子を注入します。
精子自身の力で卵子に到達・受精することで、受精卵が作られます。
一方、顕微授精は、ガラス製の針を使用して1匹の精子を卵子に注入し、受精卵を作ります。
この2つの方法によりできた胚(受精卵)を子宮に戻すことを「胚移植」といいます。
これは当院における年齢別の体外受精・顕微授精の成功率のグラフです。
以下は当院における女性の年齢別の分娩率(1回の新鮮胚移植あたり)です:
・30歳未満:45.5%
・30歳以上35歳未満:38.1%
・35歳以上40歳未満:24.7%
・40歳以上:6.3%
女性の年齢とともに確率は低下します。
年齢が上がるにつれて成功率は低下し、特に30代後半から明確に差が出始めます。

年齢別:凍結融解胚盤胞移植の成功率

胚盤胞(blastocyst)とは、採卵から5日目頃に発育する、着床前の段階の胚のことです。
胚盤胞移植には採卵周期に胚移植を行う「新鮮胚盤胞移植」と、一度胚を凍結・融解して胚移植を行う「凍結融解胚盤胞移植」があります。
これは当院における凍結融解胚盤胞移植の成功率のグラフです。
当院での1回あたりの分娩率は以下の通りです:
・30歳未満:41.3%
・30歳以上35歳未満:36.6%
・35歳以上40歳未満:28.8%
・40歳以上:15.7%
こちらも30代後半から成功率が低下していく傾向が見られます。

体外受精の成功率が高い時期に採卵を行う重要性

女性の卵子は年齢ともに妊娠率(着床率)が低下するため、成功率の高い時期に採卵を行うことが非常に重要です。 女性の年齢と卵子数の変化
卵子は胎児期の妊娠20週でピークの約700万個に達し、その後減少します。
出生時には約200万個、月経が開始する思春期には約20万個にまで減ります。
生涯で排卵される卵子は、わずか約400個です。
例えば、20歳の女性は20年間、34歳の女性は34年間貯蔵された卵子が排卵されているということになります。
女性の年齢とともに妊娠力は低下する
このグラフは、20〜24歳の女性の妊娠力を100%とした場合、女性の年齢とともにどれだけ妊娠力(着床率)が低下するかを示しています。
このように、加齢による妊娠力(着床率)の低下は明確で、その主な原因は卵子の染色体異常の発生頻度が年齢とともに増加することにあります。
不妊治療は、赤ちゃんが欲しいと思ったら、即行動が大切です。
30代後半では卵子の質が低下し始めるため、できるだけ若いうちに採卵し体外受精を行うことで、妊娠の可能性が高まります。
さらに、質の高い卵子で余剰の凍結胚がある場合は、将来2人目以降の妊娠に使用することも可能です。
質の良い卵子を採取できると、一度の採卵で妊娠する確率(着床率)も高いため、35歳までに1年以上自然妊娠しない場合は、体外受精の選択肢を含め、早めに不妊治療クリニックへ相談されることをおすすめします。
診察を予約する 03-5245-4122 03-5245-4122

不妊治療で行われる生殖補助医療(ART)の種類

ART(Assisted Reproductive Technology)とは、体外受精や顕微授精などの高度生殖補助技術を指します。

体外受精(IVF)

体外受精とは、経腟超音波下で卵巣から採取した卵子を体外で精子と受精させ、2〜6日間体外で培養した後、できた胚を子宮に戻して子宮内膜に着床させる不妊治療のことです。
IVF (In Vitro Fertilization)とも呼ばれます。

顕微授精(ICSI)

顕微授精(ICSI)とは、採取した成熟卵に対して、ガラス製の針を使用して一匹の精子を注入し、受精をさせる方法です。
精子の数が非常に少ない場合や、運動率が著しく低い重度の男性不妊症でも、受精の可能性を高めることができます。

不妊治療は即行動

一回当たりの臨床妊娠率(子宮内に胎嚢GSが確認できた率)

この表は、当院における人工授精と体外受精の成績の比較です。
人工授精は、排卵日付近に調整した運動精子を子宮腔内に注入する不妊治療です。

30代前半(1回あたりの臨床妊娠率):
・人工授精:7.7%
・新鮮胚移植(IVF/ICSI):45.3%
・凍結融解胚盤胞移植:48.5%
30代後半:
・人工授精:6.9%
・新鮮胚移植(IVF/ICSI):32.5%
・凍結融解胚盤胞移植:40.5%
年齢とともに体外受精の成功率が低下するため、「赤ちゃんが欲しい」と思ったら、できるだけ早く不妊治療の専門クリニックを受診してください。

何人赤ちゃんが欲しいかをカップルで考えることを、ファミリープランニングといいます。
将来的に2人、3人と子供を望まれる方は、若いうちに採卵・胚凍結をしておくことで、2人目以降の妊娠に備えることができます。
大切なのは、パートナーとよく話し合い、治療方針や将来のファミリープランニングをしっかり立てて行くことです。

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木場公園クリニックは体外受精・顕微授精に特化したクリニックです。
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