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不妊治療成功のポイント
体外受精や顕微授精を成功させるキーポイント!
ARTを実施する前に卵巣の予備能力を評価することで、ARTによってどれくらい成績を上げられるか(妊娠率など)をより具体的にお伝えすることができます。 また、それぞれの患者様にあった卵巣刺激を選択するための重要な指標になります。 卵巣の予備能力を予測できるものには、年齢、FSH、エストラジオール、卵巣容積、前胞状卵胞数、喫煙の有無などがあります。 この中で、前胞状卵胞数(月経1~3日目に経膣超音波で見える、左右の卵巣内にある小さな卵胞の数の合計)を最も重要と考えています。

ovarian reserve卵巣予備能力
年齢

人間の身体能力が年齢をかさねるごとに低下(老化)していくのと同じで、卵巣の予備能力も年齢をかさねるごとに低下していきます。年齢が高くなるほど妊娠率・着床率が低下していきます(図1-1,2参照)。
しかし、実年齢よりふけてみられる人や若くみられる人がいるように、女性の年齢と卵巣年齢がいつも同じわけではありません。40歳代のかたが30歳代の卵巣年齢のこともありますので、そういう場合は良好な妊娠率が得られる可能性があります。逆に20歳代のかたが30歳代の卵巣年齢のこともあります。
木場公園クリニックでは、実年齢と卵巣年齢のギャップも考慮して卵巣刺激法を選択しています。

FSH(卵胞刺激ホルモン)
卵胞刺激ホルモンという名前からも分かるように「成熟卵をつくりなさい」という命令を出しているホルモンで、脳にある下垂体から分泌されています。
FSHは黄体化ホルモン(LH)とともに卵胞を発育させ、卵胞内からエストロゲン(卵胞ホルモン)が分泌して、子宮内膜を厚くしたり、排卵前に子宮頚管の分泌液を増やして精子が子宮に入りやすくするなど、結果的に妊娠に大きくかかわっているホルモンです。  
しかし、大事な働きのあるホルモンだからといって、分泌量が多ければ多いほどよいわけではありません。卵胞刺激ホルモンの分泌量が増えるということは、強く多く命令を出さないと卵巣の反応が得られなくなっていることを表しています。つまり、卵胞刺激ホルモンの値が上がるということは、卵巣の予備能力が落ちていることになります。

閉経の5-6年前、無排卵、不規則な月経周期の場合、卵胞刺激ホルモンの値は上昇します。また、月経1日目から3日目のFSHの値が上昇するにつれて妊娠率は低くなります(図2参照)。
FSHの値は周期によってばらつきがありますが、FSHの基礎値(木場公園クリニックでは月経1~3日目の値)が高いほうがばらつきの幅が大きくなります。  
卵巣の予備能力が落ちているかたは特に、FSHの値によって、時にはART予定をキャンセルして、次のよりよい周期を待つこともあります。

E2(卵胞ホルモン・エストロゲン)

「子宮内膜を厚くして、着床の準備をしなさい」という命令を出しているホルモンです。
卵巣刺激前周期の月経3日目の卵胞ホルモンの値が高いと、採卵のキャンセル率が高くなり、妊娠率は低くなります。

卵巣容積

男性では、精巣の大きさ=精子を作る力といわれていますが、女性でも卵巣容積と卵巣の予備能力は深く関連しています。卵巣容積が大きいほど妊娠率が高く、採卵のキャンセル率が低くなります。

前胞状卵胞数
原始卵胞→一次卵胞→二次卵胞→前胞状卵胞→胞状卵胞→排卵前卵胞と成長し、排卵がおこります。
前胞状卵胞(antral follicle)とは、卵胞腔が形成されたもののことです。
前胞状卵胞数は下の写真のように、経膣超音波の画像から数えます。また下のグラフのように胞状卵胞数が多いほど、採卵数は多くなります。
木場公園クリニックでは、まず卵巣刺激を行なう前周期の月経1日目から3日目に前胞状卵胞数を調べます。卵巣刺激を実施する周期でも前胞状卵胞数が、その周期の卵巣の反応性を予測する1番よい方法と考えていますので、ロング法では月経2日目から4日目の間に、ショート法とアンタゴニスト法では月経1日目から3日目の間に前胞状卵胞数を再度調べて排卵誘発剤の量を決定しています。

喫煙

喫煙は男女ともに生殖能力を落とすといわれ、以下のようなデータ報告があります。

1.36歳未満の女性を喫煙の有無で比較すると、喫煙者のほうがFSHの基礎値が高い。

2.ART実施期間に使用したhMG(排卵誘発剤)の本数は非喫煙者が38.9±13.6本だったのに対し、喫煙者は48.0±15.6本。

3.採卵数は、非喫煙者が11.6±6.3個、喫煙者は6.2±3.4個。

簡単に言うと、タバコを吸っている人では、卵巣刺激に用いるhMGの量が増えているにもかかわらず、採卵できる卵の数はタバコを吸っていない人の約半分になります。
喫煙は健康上でも不妊治療を行なう上でも何ひとつよいことはなく、むしろ生殖機能を悪くしますので、ご夫婦ともに禁煙されることを強くすすめています。

不妊治療成功のポイント