人工授精について | 木場公園クリニック 

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人工授精
男性から射精された精子を、細いチューブを使って子宮腔内に入れることを人工授精(IUI=Intra Uterine Insemination)といいます。

人工授精には、夫の精子を使用する、「AIH(Artificial Insemination by Husband)」と、提供者の精子を使用する「AID(Artificial Insemination by Donor)」の2種類あり、一般的には夫の精子を使用するAIHを指します。

人工授精について – AIH
男性から射精された精子を細いチューブを使って子宮腔内に入れることを人工授精といいます。

しかし、採取した精液をそのまま用いて人工授精をしたのでは、精液中の雑菌によって女性に卵管炎を起こす可能性があります。
また、精液中のプロスタグランジンによって子宮収縮が起こります。

以上のような理由から、現在では運動性のある精子のみを注入する方法がとられています。

妊娠率はどのくらいなの?
卵巣の刺激により違いはありますが1回当たり約10%です。
痛みはあるの?
通常は痛みを感じることはありませんのでご安心ください。
人工授精は何回くらいしたらいいの?
3~6回人工授精しても妊娠に至らなければ精子の所見によっては次のステップ(体外受精など)を行います。

*非常に精子の数が少ない場合には早めに顕微授精を選択する時もあります。

精子を処理する時間はどのくらいかかるの?
精液を培養室へ出してから1時間~1時間30分ほどかかります。
費用は?
人工授精周期は飲み薬や注射など全て保険適用外で自費です。
人工授精の費用は自費で22,000円ほどかかります。(注射代、超音波検査代、内服薬等は除く)
夫は必ず来院するの?
原則としてはご来院していただきますが、仕事の都合でどうしてもご来院していただけない場合は、精液を持参していただく方法もございますのでご相談ください。
夫にはいつ来てもらえばいいの?
卵胞の発育によって人工授精を行うタイミングは変わってきますので、ご主人様に来ていただく日が 確定するのは人工授精を行う数日前になります。
排卵誘発による副作用?
卵巣刺激のため卵巣が腫れ卵巣刺激症候群になり、腹水や胸水が溜まり入院する可能性もあります。
骨盤内腹膜炎について
人工授精を行った後に、まれに高熱が出たり、強い下腹痛がおきて骨盤内腹膜炎になることがあります。
子宮外妊娠について
自然妊娠の場合、その頻度は約0.5~1%程度と言われています。
多胎妊娠について
ゴナドトロピン使用における多胎妊娠における多胎妊娠率は21.1%、
クロミフェンによる多胎妊娠は4.5%と報告されています。

当院におけるIUIの各項目別妊娠率
IUIは簡便でかつlow costな不妊症治療の有効な一手法です。しかしその適応や過排卵刺激併用の効果、ARTにstep upするまでの周期数など、IUI実施時の治療指針には施設毎の差異が大きくでます。そこで当院における開院以来約2年間のIUIについてretrospectiveに解析してみました。

方 法

対象は1999年1月から2001年1月までに不妊症カップル365症例に実施したIUI1048周期です。妻の平均年齢は32.8±4.0才(21-45)。症例あたりのIUI実施回数は平均3.5回(1回~6回)。卵巣刺激は自然療法、クロミフェン(CC)療法、CC-hMG併用療法、FSH/hMG療法を行いました。IUIのタイミングは超音波検査と尿中LH測定で決定しています。

結 果

1048周期中105周期(10.0%)に妊娠が成立し、そのうち22/105(21.0%)が流産となりました。つぎに各項目別の妊娠率を示します。

項 目 妊娠率(周期当り)
妻の年齢別(才) 25未満 1/13(7.7%)
25以上30未満 24/168(14.3%) 
30以上35未満 51/519(9.8%)
35以上40未満 27/305(8.9%)
40以上 2/43(4.7%)
不妊原因別 性機能障害 2/32(6.3%)
男性因子 27/325(8.3%)
頚管因子 10/117(8.5%)
子宮因子 1/54(1.9%)
卵管因子 6/52(11.5%)
排卵因子 17/84(20.2%)
子宮内膜症 6/68(8.8%)
免疫因子 0/4(0%)
原因不明 34/306(11.1%)
その他 2/6(33.3%)
精液処理前の総運動精子数
(TMSC)(×100万)別
5未満 1/40(2.5%)
5以上20未満 2/99(2.0%)
20以上50未満 20/204(9.8%)
50以上 82/705(11.6%)
精液処理後のTMSC
(×100万)別
5未満 10/181(5.5%)
5以上20未満 34/313(10.9%)
20以上50未満 33/297(11.1%)
50以上 28/257(10.9%)
卵巣刺激別 自然療法 6/104(5.8%)
クロミッド療法 27/303(8.9%)
クロミッド-HMG併用療法 10/109(9.2%)
HMG療法 62/532(11.7%)

結 論

年齢毎、原因毎に患者様を的確に個別化させていただき、過排卵の方法を決定してIUIを実施することが必要です。

またARTへのstep upにはTMSC(総運動精子数)が良い指標となることが考えられます。